徹底解説&事例】「改修・改築・改装」の違いと特徴は?「増築・増床」の違いも紹介
記事作成・更新日: 2025-06-26
建物の修繕やリフォームを考える際に、「改修」「改築」「改装」「増築」「増床」といった用語の違いが分かりにくく、何を選べばいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。 本記事では、それぞれの定義や特徴をわかりやすく解説し、具体例を交えて紹介します。
最後まで読むことで、工事内容ごとの違いや適切な選び方が理解でき、自身に合ったリフォーム計画を立てるヒントが得られます。 これから住宅の工事を検討している方はぜひ最後まで読んでください。
改修・改築・改装の定義と特徴
カスタムクラスが適用されたボックスです。

建物を手直しするとき、「改修」「改築」「改装」という似たような言葉がありますが、それぞれ意味や内容には明確な違いがあります。

自身が希望する工事を正しく選ぶためには、工事の定義や特徴を正しく理解しておく必要があります。なぜなら、間違った工事を選ぶと、予算が想定以上にかかったり、目的が達成できなかったりすることも考えられるためです。

それぞれの工事についての定義や特徴、内容や費用、規模感も比較しながら見ていきましょう。

「改修」の定義と特徴

改修とは、建物や設備が経年劣化によって傷んだ箇所を修理・交換し、本来の機能や性能を回復させる工事のことを指します。
具体的には、外壁のひび割れ補修や屋根の防水処理、古くなった配管や設備の交換、または耐震補強や断熱性能の改善などが代表的です。建物の基本的な構造はそのままで、損傷した部分や性能が低下した箇所を回復させ、長期的に安全で快適な状態を保つことを目的としています。 たとえば、外壁にひび割れや傷みがあると雨漏りや耐久性の低下につながりますが、改修工事を行えばそのような問題を未然に防ぐことができます。
また、古い給湯器を最新の省エネ機器に取り替えることで光熱費の削減に繋がりますが、これも改修工事の一種です。 改修工事は改築ほど大掛かりではなく、工期は短期間で済み、費用も比較的抑えられるため、既存の建物をなるべく維持したい人に向いている方法と言えるでしょう。

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「改築」の定義と特徴

改築とは、既存の建物の全部または一部を取り壊して新しく建て替える工事を指します。建物の構造自体に手を加えるため、大幅な間取り変更や建物の用途変更など、大きなリフォームを行う際に適しています。改築は規模が大きく、工期が長くなる傾向があるため、工事中の仮住まいや一時的な転居が必要になる場合も少なくありません。 たとえば、細かく区切られた昔ながらの和室が多い住宅を、壁を取り払って広々としたリビングやダイニングに変えるようなケースが改築にあたります。また、店舗や事務所として使われていた物件を居住用に変更する場合も改築になります。 改築は生活や仕事、日々の活動の改善のために費用と時間を使って建物を大幅に変更したい人に向いている方法と言えます。

増築・増床の定義と特徴

居住空間の不足などにより、建物の使えるスペースをもっと広げたい場合には、「増築」や「増床」という方法がよく選ばれます。 この2つの方法にも明確な違いがあり、それぞれのメリットや注意点を正しく理解しておくことが大切です。ここでは「増築」と「増床」のそれぞれについて、定義や特徴を詳しく解説します。

「増築」の定義と特徴

増築とは、既存の建物の外側に新たな部分を建て足して床面積を拡大する工事を指します。建物の外観が変化することが多く、部屋数を増やしたり、既存の部屋を広げたりするために選ばれる方法です。増築を行う際には、敷地の広さや建築基準法に定められた建ぺい率・容積率を考慮しなければならないため、事前に自治体への届け出や許可が必要になる場合があります。 たとえば、子どもが成長してそれぞれの個室が必要になったときや、親との同居による生活空間を増やしたい場合、店舗のスペースを広げる場合などは増築が適しています。建物の基礎部分から工事を行うため、ある程度まとまった費用や工期がかかることも考慮する必要があります。増築は新築や買い替えよりも、比較的コストを抑えながら居住空間を広げられることが大きなメリットです。

「増床」の定義と特徴

増床とは、新しく建物の外側に追加するのではなく、既存の建物内で有効活用ができていない空間をリフォームして、実質的に使える床面積を増やす工事を指します。 建物自体の大きさや外観を変えずに、室内の間取り変更や用途転換を行うことで、使えるスペースを増やす方法です。代表的なものでは、建物内のデッドスペースや車庫、倉庫など、十分に活用できなかった場所を改造して居住空間として活用するケースがあります。 たとえば、自宅の車庫を居住用の個室やリビングに転換したり、屋根裏やロフトを活用して書斎や子ども部屋を設けたりする場合に増床が選ばれます。増築に比べて費用を抑えやすく、工期も短く済むことが多いですが、建物内部で用途を変更するため、換気・断熱などの設備整備が必要なこともあります。用途変更など状況に応じて行政への手続きが必要になることがあるため、事前の確認は欠かせません。

【比較】改修・改築・改装の違い

建物の手直しを検討する際に「改修」「改築」「改装」はよく混同されがちです。これらを間取り・床面積・該当箇所・目的の観点で整理し、違いを表にまとめました。ぜひ参考にしてください。
改修は建物の機能や安全を回復させる目的、改築は用途や間取りなど構造を変更する目的、改装は主に美観やデザインの変更を目的としています。工事の規模や予算、目的に応じて適切な方法を選びましょう。